別府に「地獄」と呼ばれる場所があることは皆さんもうご存知のことでしょう。
ここ鉄輪・亀川の地獄地帯は、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたことが「豊後風土記」に記せられ、近寄ることもできない忌み嫌われた土地であったとか。そんなところから、「地獄」と称せられるようになったそうです。
建治2年（1276年）、一遍上人は諸国念仏行脚の途中に別府の浜（上人が浜）に辿り着きました。今の「鉄輪」を訪れ、荒地獄に悩まされているのを知った上人は、大蔵経を一字一石に書写して地獄に埋め、荒地獄を静め、一大温泉郷開発の礎を築いたといわれています。
そんな由来を持つこのエリアでのべっぷ地獄めぐりは、100度近い温泉の源泉を観る別府ならではの観光施設。９か所ほどの「地獄」があり、中でも有名な７か所が回れる共通券があるのはご存じでしょうか。
今回はこちらの共通券を利用し、地獄めぐりのルートなどをご紹介します。
まずは、共通券が使用できる「地獄」について。
【海地獄】真っ青なコバルトブルーの地獄、とても広い敷地内には蓮などが楽しめる熱帯植物園も併設
【血の池地獄】真っ赤に染まった地獄らしい地獄、血の池軟膏が有名
【龍巻地獄】間欠泉から吹き上がる迫力満点な地獄、約３０分毎に噴出する様子が楽しめる
【白池地獄】白く染まる地獄、古美術や約20種類の魚が飼育されている熱帯魚などが楽しめる
【鬼石坊主地獄】灰色の熱泥が沸騰する様子が坊主頭に似ている事から「鬼石坊主地獄」と呼ばれる様に
【鬼山地獄】なんといってもワニ！な地獄。餌やりの時間は迫力満点
【かまど地獄】１～６丁目までの６つの地獄があり、１カ所で様々な地獄を楽しめる贅沢な地獄。最近では、アニメ鬼滅の刃の元になったといわれている
そしてこちらが地獄めぐりを堪能できるルートの一例です。
海地獄にはこの付近で最大収容数の駐車場が併設されています。こちらに駐車し、徒歩で周遊がおススメです。
様々な「地獄」を楽しめる共通券ですが、今回はその中の一つ、「白池地獄」をご紹介します。
昭和初期、田園地帯だった場所に掘り当てられた温泉。吹き上がった無色透明の温泉が池の側面に落ちる際に温度と圧力の低下によって自然と蒼白い色となることから「白池地獄」と名付けられたそう。他の地獄と比べて、穏やかな時間をすごせるこちらの地獄は、ゆったり落ち着いた雰囲気です。周りには、日本庭園があり、ゆっくりとお庭を回遊することができます。
そして…白池地獄といえば熱帯魚館！
約10種類もの温泉が湧き出る別府。一日の温泉噴出量は137,040ℓと、なんと世界一！驚きです。そんな温泉の蒸気熱で利用して飼育されている熱帯魚が見られるのは、全国を探してもここ「白池地獄」だけ。温泉だけでなく何か他に楽しんでもらえるものを、と考え付いたのが、この熱帯魚館だったそう。こちらの熱帯魚館ではアマゾンや熱帯雨林などに住んでいる魚たちが約20種類展示されていて、なかなか見ることのできないピラニアまで飼育されています。中でもひと際目立つのは、一億年前から進化をしておらず、そのままの生きた化石ともいわれている「ピラルク」。熱帯魚マニア垂涎ものの、珍しい熱帯魚達が大切に飼育されています。
その他に、県指定有形文化財の国東塔、向原石幢（むこうばるせきどう）や初代社長の蒐集品である郷土に因んだ美術絵画が展示されている「二豊南画堂」も併設されています。二豊南画とは、中国の江南地方をルーツとした水墨画や淡彩で、多くの作品は山水などを柔らかく表現している作品が多いのも特徴の一つ。日本有数の温泉地で古き良きアートを楽しむ。格別ですね。今年で創業91年となる、温泉が地面から噴気する庭園や熱帯魚に骨董美術品と幅広く楽しめる「白池地獄」。是非、立ち寄ってみてください。
白池地獄
公式HP: 国指定名勝 白池地獄 Shira-ike Jigoku (shiraikejigoku.com)
営業時間:8:00-17:00 年中無休
住所: 大分県 別府市鉄輪283-1
詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
公式サイトで、こちらのチケットをコピーして提示すると、なんと共通券を10%OFFで購入することができます。
￥2,800/7か所(一般各所でお支払いの場合)→￥2,000/７か所（共通券）→￥1,800（10%Off） 最終的には1000円ほどお得に！
共通券・特別割引券についての詳しい情報はこちらから
寒い季節こそベストシーズン！共通券を手に、様々な温泉が楽しめる世界有数の温泉地別府の「地獄」でほっこり、ゆるりと極楽気分。存分に楽しめること間違いなしです。
この記事は2023年1月16日時点のものです。最新情報は公式ホームページをご覧ください。
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