海に面し、山に囲まれた別府には、個性豊かで魅力的な温泉街があちこちにあります。そのなかのひとつ、鉄輪エリアは、湯けむりの漂うレトロな街並みで近年人気の高まっている地区です。そんな鉄輪の温泉街をゆるりと散策してみました。
散歩が楽しい街、鉄輪温泉の魅力。
別府八湯のひとつ「鉄輪温泉」は、別府・北浜からタクシーで約15分の場所にあるエリア。バスも頻繁に行き来しているので、日帰りで気軽にアクセスできます。
古くから湯治客で賑わったという鉄輪には、木賃宿や旅籠を起源とする歴史ある旅館や温泉施設が多く、レトロな街並みが広がっています。明治時代にはすでに観光名所として知られていたそうです。あちこちから湯けむりが立ち上る風景はどこか神秘的でロマンチック。住民によって管理されている共同浴場があったり、見応えたっぷりの「地獄」があったりと、見どころもたくさん。ちなみに鉄輪温泉の景観は、2012年に国の「重要文化的景観」に選定されています。
鉄輪をぐるっと散策
鬼山地獄など、地獄めぐりで有名な区域から散策をスタート。レトロな雰囲気の坂を下っていきます。道沿いには、卵や野菜の地獄蒸し料理を楽しめる出店や、デザートを楽しめるおしゃれなスポットなどが立ち並んでいました。
白池地獄を過ぎたあたりから伸びる「いでゆ坂」は、鉄輪らしい街並みを満喫できる通りとして人気です。
「地獄蒸し工房鉄輪」でちょっと寄り道
しばらくレトロな風景を楽しみながら歩いていると発見したのが、「地獄蒸し工房鉄輪」という体験型レストラン。「みゆき坂」の途中にあります。
せっかくなので、こちらで地獄蒸し作りを体験してみることにしました。メニューから選び、券売機でチケットを購入します。通常のメニュー以外に、日替わりメニューもありました。なお食材の費用のほか、200円の釜代が別途必要です。
購入したチケットを番号札と交換し、少し待ちます。順番が来たら、カウンターで食材を受け取り、窯のあるエリアへ。
ずらっと並ぶ地獄釜から湯気が上がっています。
やけどしないように、腕にアームバンドをつけてから釜に食材を入れます。しっかりと担当の方がついて教えてくれるので安心です。完了したら、あとは20分待つだけ。その間に席を確保して、残りはゆっくり待ちます。隣には無料の足湯などがあり、待ち時間も飽きることなく楽しめました。
すぐ近くには温泉が飲めるスポットも。
そうこうしているうちに地獄蒸し料理のできあがりです。
温泉の香りがふわっと立ち上ります。たくさんの野菜でボリューム満点。お肉も野菜もしっかり柔らかく蒸し上がっていました。温泉の湯気で蒸した食材は、どれもほくほくとしてほんのり甘みがあり、やさしいおいしさです。塩と醤油のシンプルな味付けでいただきました。ここでしかできない別府らしい体験をしたい方におすすめです。
初めてなのに、懐かしい街。
ヘルシーなランチに満足したあとは、散歩を再開。鉄輪の街を歩いていると、懐かしさを感じるスポットにたびたび遭遇します。たとえばこちらの駄菓子屋さん。
店内には懐かしい駄菓子がたくさん並んでいます。大人も子どもも一緒になって楽しめそうなお店でした。
そしてもちろん温泉も
もちろん、温泉にまつわるスポットもあちこちにあります。なかには、さきほどご紹介した足湯のように無料で楽しめるところも。
鉄輪に9カ所ある共同温泉場も、ぜひ立ち寄りたいおすすめスポットです(現在、新型コロナウイルスの影響などにより、組合会員以外は使用できない共同温泉もあります)。
共同温泉は基本的に無人で、お賽銭箱に料金を入れて入浴するシステムになっています。だいたい100円程度のところが多いようです。
こちらは鉄輪の共同温泉のリストです。住民の方や観光客の憩いの場となっている温泉場も多いようでした。
- 鉄輪むし湯
- すじ湯
- 上人湯
- 地獄原温泉
- 渋の湯組合温泉
- 熱の湯温泉
- 谷の湯
- ひょうたん温泉
- 夢たまて筥
共同温泉の近くを歩いていたら、無料の足湯をもう1カ所見つけました。
歴史を感じる街並みと湯けむりの光景は風情があって、時々タイムトリップしたかのような錯覚を感じることも。
レトロでどこか懐かしい鉄輪温泉は、のんびり歩きながら豊かな時間を過ごせるとっても素敵な街でした。
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この記事は2022年11月15日時点のものです。最新情報は公式ホームページをご覧ください。
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